ブラジル人高度人材の活用

在住ブラジル人の相談に乗っていると、中には医師、歯科医師、弁護士をはじめとして、とんでもない高学歴や高度の専門技能を持つ人がいることに驚ろかされる。

同時に、彼ら、彼女らが、その能力や経験をまったく活かせない仕事に従事しているのを見るのは、辛いし、もどかしくもある。

彼らの前に立ちふさがるのは、言うまでもなく言葉の壁である。

母国で取得した資格や職歴も、そのために今は活かすすべがなく、まさに「宝の持ち腐れ」といっていい状態にある。

おそらく彼らは、大きな希望や期待を抱いて来日したに違いないが、残念ながら島根の現状はそれに応えることができていない。

ちなみに、島根県では「外国人高度人材活用対策」として企業向けのセミナーの開催などを行っているが、しかし、その主旨は、海外展開や競争力の強化を図ろうとする県内企業に対して、外国人留学生等の採用を促進することにあるようで、在住ブラジル人の求めるものとは大きく異なる。

また、ネットで「外国人人材バンク」を検索してみると、高度人材のあっせんを行う職業紹介事業者もないではないが、応募要件としてハイレベルの日本語能力が求められているなど、ハードルはかなり高い。

しかし、せっかく定住ビザを持ち、将来的には帰化も可能な日系ブラジル人3世の高度人材を、言葉の壁のために「持ち腐れ」 のままにしておくのもいかがなものか。

要は、通訳者・翻訳者さえ介在すれば、かれらは言葉の壁を乗り超えることができる。

個々に通訳・翻訳を配置することは大変のように思えるが、翻訳アプリの発達により複雑な意思の疎通がストレートに可能となるのも、そう遠い日のことではないはずだ。  そうした将来を見越しながら、いろんな現場で彼らに活躍の機会を与えることができるような先導的施策に、県は今から本腰を入れて取り組んでいいのではないだろうか。