新型コロナウィルス対策・ディサービスにできること

  • 松江市に次いで、出雲市でも新型コロナウィルスの感染者が現れ、今後の拡がりへの懸念が、住民生活に暗い影を落としている。
    通所介護の現場も例外ではなく、最近、利用を控える動きが目立つようになってきた。

  • 通所介護の場合、毎日、利用者が入れ替わり、かつ“3密”に近い状態でサービスを提供することから、ウィルスの侵入を許せば、クラスターの発生につながりやすいことは確かだ。
    また、いったん感染すれば、抵抗力の弱い高齢者だけに重篤化しやすいことも否定できない。
    もとより、どの事業所でも強い危機感を持ち、現場の衛生管理や利用者の体調管理など、国の指針に沿って怠りなく感染防止に努めている。
    しかし、それだけで利用者や家族の不安を完全に拭い去ることはできない 。

  • とは言え、多くの高齢者や家族にとって、いまや通所介護はなくてはならない生活のルーティンの一部となっている。
    両市でも、すでに少数ながら休業に踏み切る事業所も現れているが、サービスの休止は家庭の介護環境を一変させ、認知症も含めて利用者の重度化を促進させるおそれもある。

  • あくまでサービスを継続していくために、いま通所介護にできることは何だろうか。
    問題の根本が、感染リスクを高めている“3密”状態にあるとすれば、急がねばならないのは、その緩和に向けた運営体制の見直しである。
    通所介護では、利用定員1人あたりのフロア面積は3㎡以上と定められている。利用者間の濃厚接触を防ぐためには、定員を縮小し、単位面積を拡げていく必要がある。
    また、大半の事業所は、営業時間を7~8時間あるいは8~9時間としているが、利用者の滞在時間が長ければ、それだけ感染機会も増えていくことになる。
    サービス内容を機能訓練、入浴、食事などに絞って、極力、滞在時間を圧縮すること、場合によっては午前・午後の2部制に変更することも考えられていいはずだ。

  • “3密”のピークは、送迎時の乗り合わせだが、これも早急に個別送迎へ切り替えていくことが望ましい。
    もしも、送迎要員や送迎車両の面でやりくりが難しいということであれば、部分的にタクシーに委託(運賃は事業所負担)することも考えていいし、家族での送迎が可能なケースでは、協力を懇請することもあるだろう。

  • このようにして“3密”状態が緩和できれば、感染リスクはかなり引き下げられるはずだが、問題は残る。
    これらの対策が大幅な減収あるいは支出増をともない、経営面で大きな痛手となることである。しかし、手をこまねいていては、ますます窮地に追い込まれることになる。
    利用者や従業者を守るために強い覚悟をもって臨む事業者だけが、周囲からの信頼を集めて現下の状況を乗りこえることができるように思えるのだ。